印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page33 -
 簡単な蒸留というとポットスチルのような単式蒸留器だが、その蒸留は必ず2度行う。蒸留釜で素材を加熱し、出てくるものを粗酒精といい、残留物(肥料にする)を取り出し、次に粗酒精だけを蒸留し、最初に出てくる前留液、途中の中留液、最後の後留液と分け、中留液のみを飲用とする。
 なぜこんなことをするかというと、飲んではいけないからだが、沸点の低いものに、アセトアルデヒド20.2℃(沸点は101.325kPa時、以下も同じ)、青酸26.0℃、エーテル35.0℃、アセトン56.6℃、メタノール(メチル)64.6℃、エチルアセテート77.1℃などがあり、78.3℃のエタノール(エチル)より高温となると、水はともかく他のアルコールやフーゼル油が出てくる。厳密には78.3℃未満と、78.3℃と、78.3℃を超えたもので分けたいが、そうもいかない。できればメタノールあたりまでは排除して、沸騰しない程度で蒸留するのがいいだろう。
 連続式蒸留機(機械なので器ではない)は、単式が理解できていないと勘違いするかもしれない。よく凝縮器(凝縮したものを取り出す)が連続して配置されているからだと勘違いするのはそのためだろう。連続式とは、連続してアルコール含有物を蒸留できる機械のことなのだ。つまり、連続して素材を投入・排出するため、2度に分ける蒸留ができず、前留液・後留液を分けることもできない。1度でどうやって分けるかというと、沸点の違いを凝縮点の違いに置き換え、蒸発させた部分から何層もの凝縮器を通し、温度が下がっていくことによって、高温度で凝縮するもの、エチルアルコールに適切な温度で凝縮するもの、更に低い温度で凝縮するものと、冷える温度で分けるのである。
 同じ仕組みが原油精製プラントであり、350℃で熱した原油が冷えながら凝縮器を通り、軽油、灯油、ガソリンなどと沸点(凝縮点)の違うもので分けられる。もちろん原油は連続して投入され、カスとしてのアスファルトは下部から抜かれる。もしかしたら、連続式蒸留機よりこちらの方が分かり易いかもしれないが、原理は同じだ。
 まあ、やるなら単式だろう。エーテル臭がしなくなったら飲用、酒(エチルアルコール)の匂いがしなくなったら終わりというところだろうか。
 
 などと考えていると、直角がひとりの職人を引き連れ、板やら棒やらを持って戻ってきた。
「じゃ、光さま、作業に取りかかります。こいつは口は固いし、真面目なやつなんで信用してください」
「はい、お願いします」
 それからしばらくして伊周さまがいらした。
「行きましょうか、光」
「はい。時間も時間ですから、何か食べていきませんか?」
「そうですね、ではうどんか蕎麦でも」
「戻るのも面倒ですから、馬に乗って行きましょう」
「ええ、では参りましょう」
 馬を出して乗り、鶴屋へ、たぬき蕎麦(天かすの方)を食べて、荘園に向かった。
 途中、走るのをやめ歩きながら話をした。
「で、光はどうなのです。原子を選んでもらえるのでしょうか」
「選ぶも何もありませんが、俺なんかでいいんでしょうか?」
「ひとつ言っておきましょう。まあ私が言うのも妙なんですが、好きな人と結ばれるならこんなに幸せなことはないと思うのです。好きでも嫌いでもなく、もしかすると嫌いな相手とも結婚させられることだってあるんですから」
「それは分かりますが、モトちゃんは本気なんでしょうか。ゆかりとかとの対抗心でやっているようにも思えますし」
「嫌いな人の傍にいたいと思うでしょうか。はっきり言えば、枕部のめのこは光が好きだから来ていると思いますよ。みんなで正妻を決めるとかやってたでしょ? 勝ったら正妻なんですから、本気じゃなきゃ参加できません」
「そうですか」
「そうです」
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