印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page34 -
「あの、詮子さまとは昨日はどうでしたか? お話されていたみたいでしたが」
「ええ、あの方は光を通して私が見えてきたそうです」
「俺をですか」
「めのこを集めているとんでもない男かと思ったら、好かれて集まってるのがお分かりになったそうで、その光が私によくしているのだから私も悪い男ではないだろうと」
「やっぱり女の子が多いのは変な風に見られてるんですね」
「やっかみ半分の輩もいるでしょうが、気にしてはいけません。見る人はちゃんと見てますから」
「でも、うちの連中は、ほとんど食い物に集まってるアリみたいなものなんですけどね」
「金や権力に群がるより余程そっちの方がいいです」
「ですか」
「まあ、それも私が言うべきことではないかもしれませんが」
「ならば、美味い酒というのは金銀財宝よりいいということですよね」
「嫌みがありませんからね。酒好きならなおのこと」
「詮子さまも、妙な貢ぎ物より酒の方がいいとおっしゃってましたし」
「食べ物や飲み物というのは光らしいでしょ? 私は光を見倣うことにしたのです」
「料理をされるんですか?」
「そうではなくて、金銀財宝や権力を使うのではない、別なやり方を私らしいと言われたらいいと思ったのです」
「俺の見たところだと、誠実さとかが伊周さまに合ってると思いますよ。ゾロのときだって、寝ずに向かわれて、ありがたい人だなと思いましたし」
「そうですか、私には当たり前のことなのですが」
「実際、いい人だと何度も感じてましたから、だからこそ、伊周さまのお役に立ちたいと思っているのです」
「ありがとう、光」
「ただ、ひとつだけお聞き頂きたいのは、何かあっても決して自暴自棄にならず、落ち着いて行動していただきたいことです。そうしたら俺が何とかしますから」
「なるほど、肝に銘じておきましょう」
 俺が言った言葉が、未来の話なのだと気づかれたのかもしれない。ただ、俺の知っている未来というのは、俺のいない場合の未来なのだ。同じになるとは言えない。定子さまを中宮にしなかったのだから既に史実とは違っているし、何より、俺とモトちゃんが結婚したらモトちゃんの人生はまったく違ったものになるだろう。まあ、ゆかりたちも同じだけど。さやの再婚相手も俺なのかもしれないし。
 それからは話すこともなく馬を走らせ、荘園に急いだ。
 
 荘園の少し前で牛車に追いついたが、伊周さまはそのまま走られたので、俺も白台を走らせ、荘園に着いた。
 ほどなく牛車も到着する。
「よし、仕込みだ。遊びに来たんじゃないんだからな」
 ビール造りの荷物を降ろし、仕込みに入る。
 伊周さまの本気っぷりが出ているのは、建物だろう。
 増築されているのだ。
 でかい鍋がふたつ乗るかまどが作られ、大きな樽(酒殿に比べたら半分だが)は四方に壁がある小屋に置かれていた。現代ならビールがどれだけ買えるだろうかという額の投資である。
 しかも作るのは試しでしかなく、水飴作りと日本酒造りの合いの子なのだ。よく考えたらすごいよな。水飴で日本酒を造ったらビールになると言い張ってるんだから。
 
「よし、3班に分けるぞ」
 鍋が2つあるから3班に分けた。
 
 1 焙燥チーム ゆかり、しずか、諾、さや
 2 焙煎チーム 原子、飛鳥、瑠璃、夕月
 3 警備チーム 玉藻、羅螺
 ただし、1、2班は2人ずつの交代制とする。
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