印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page37 -
 その前に食い物だ。
 もしかしたら、さっき諾に行かせたのを勘違いされているかもしれない。
 俺が行って、泊めてくれと言ったら、断れないだろ? 自分たちの食べる分も出して、部屋も空け渡して、牛車でも小屋でも寝るってことになりかねない。その点、諾なら気心も知れているし、正直なところが話せると思ったんだ。
 ただ、飯の材料となると、やっぱり俺が行って聞くしかない。
 行くと、何か飯の材料はないかと聞いた。お作りしますというのを断って、使って迷惑じゃないものだけ使わせてくれと頼んだ。
 もち米、何かの菜、大根1本、茄子3本、スルメ半分、以上。
 調味料は俺も来ることがあるので、味噌や醤油も置いてあるし、厨房も何度か使っているから慣れたものだ。夕月に手伝ってもらうことにした。
 使用人一家も飯はまだで、支度もこれからだというので、17人分、ただし子供2人を含む。なお、玉藻は数えて、羅螺は除外した。
 使う米の量は3升。もち米なので1升ずつの蒸籠が3枚である。これは夕月に任せた。ちょっと軟らかめにしてもらう
 鍋を火にかけるが、ひとつには水から大根を2センチの輪切りにして皮を剥き、更に4分割したものを入れて下茹でする。もうひとつは沸騰させて、塩を入れ、菜を下茹でする。菜はすぐに茹だるので、水に取って、絞り、1センチ程度に切って、再度よく絞ったら、醤油と塩を入れ、よく混ぜておく。塩は多めでいい。
 鍋に湯を3リットル強入れて、鰹節を削って入れ、沸騰したら濾し、鍋に戻し、茄子を半分に割り5ミリ程度に切ったものを入れ、茹だったら味噌を溶く。味噌汁である。
 最後だ、鍋に水を張りスルメをできるだけ細く割いて入れて煮立たせ、下茹でした大根が柔らかくなったらそこに入れる。甘葛を入れ、醤油で味付けをする。これは火から下ろしたり火にかけたりを繰り返し、味を染み込ませると良い。
 米が蒸し上がったので、大きな木桶に移し、菜を軽く絞って入れて、切るようによく混ぜ合わせる。塩が足らなければ少し振っておく。
 器も足らないと思ったので、これは握り飯にする。同じ大きさになるように、小振りの茶碗に入れてから、三角に握る。夕月は三角にできないというので、手取り教えてやった。コツは、左手は厚みを決め、右手の指先と親指の付け根で押さえ、底辺の角を作るようにして回て握ることだ。頂点を握ろうとしてもできない。
 ずらっと並べて、煎りゴマを振る。
 大根もいい感じになってきたので、大振りな皿鉢に盛りつける。
 よし、食おう。
 
 みんなで外で食うことにした。
 握り飯と、大根の煮物と味噌汁だけだが、外で食うとまたひと味違う。
 使用人一家と牛車のオヤジたちも呼んで、大人数で食った。子供は大喜びだったし、「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と慕われるものだから、みんなも可愛がっていた。
 やっぱり凄いと思うのは、この時代の人は3升あった飯を全部食ったことだろう。オヤジ連中は3合以上食ってたかもしれない。
 飯を作ってもらいましたからと、後片付けは使用人の方でやってくれるというので、運ぶのだけ手伝った。
 その後、さやと料理について話していた。
「スルメって凄いですね、あれだけなのに、あんなに美味しくなって」
「だね。スルメは出汁がらになるけど、それで酒も飲めちゃうし」
「菜もあんな風にすると、ご飯だけで食べられちゃいます」
「味だけじゃなくて、歯応えの変化もあるからいいよな。ゴマの風味もいいから」
 ちょうど月も出ているし、外でみんなが話しているのである。
 中は狭いから、だが。
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