印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
携帯・スマホからもご覧いただけます⇒

第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




  (ルビ表示が正しくない場合)


横 縦     並 大 特大     G M
- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page39 -
 意味のない会話に業を煮やしたのか、玉藻がとんでもないことを言った。
「この方は神様です」
「神様? え? いるの!?
「そうです、私は神さまです。ちなみに女神さまですから」
「あぁ、女神さま。まあ、神じゃなくてもその見た目で男だとかなり嫌だが」
「話が進まないので妾がご説明します。この国は元々神のしろしめすところでした。それが異国の仏とやらのせいで追いやられ、今や神は寺の守護として奉られる始末」
「そういうのあったな、手塚先生の漫画に。狐が眷属だとかって、玉藻もそうなのか?」
「妾は妖怪変化である前に狐ですから」
「で、俺にどうしろと。言っちゃなんだが、仏教は嫌いじゃないぞ」
 法事と墓参りくらいしかしないけど。
「別に仏教も寺もどうしろということではありません、神の力は信仰から生まれます。私を信じる人を増やして欲しいのです」
「そう言われても、布教とかしたことないしな」
「あなたが信じてくれたなら、空だって飛べるし、佐渡まで陸続きにもできるのに」
「そんなに!?
「知らないのですか? 妾はこの国を作ったのですが」
「作ったって、国産みとか天逆鉾あまのさかほこの話? って那美ってイザナミ!?
 天逆鉾で海をかき混ぜて、日本を作った話が古事記にある。
「まぁ、私って有名なんですか?」
「はぁ。火の神様を産んで、あそこを火傷して死んで、黄泉の国でイザナギと喧嘩して離縁したとか」
「あそこというのが分かりませんが、神は死にませんから。で、あそことはどこでしょう」
「いや、俺の口からはとても」
「言ってください、話が進みませんから」
「どうでもいいところで引っかかってるのは那美の方だと思うんだけど」
「言わないとたたりますよ!」
「えっと、産道?」
「ああ、表産道の方ですね」
 意味が分からない。裏産道ってあるのか?
「で、確認だけど、俺が信じればいいだけか?」
「そうです。鰯の頭も信心から、です」
 よく分からないな。信じたら負けなんじゃないだろうか。
「だったら女神だと証明してもらいたいな」
「──汝の神を試すなかれ、結構常識だと思うんですが」
「まあ、海の向こうの宗教ではそうかも」
「いいでしょう、私のできることでよければ」
「それって、危なくない?」
「まあ、この中であれば」
「何をするのか聞いてもいい?」
「ですから、セキレイという鳥がいまして、でも他のやり方もあるんじゃないかと」
「よく分からないのだが」
「ご主人さま、ちょっと」
 玉藻が俺に近付いて小声で教えてくれたのは、それでは証明にならないじゃないかという内容だった。
「あ、そういうこと。那美、それじゃない方法で証明してもらいたいんだけど」
「困りましたね、それ以外にできることがなくて」
 突っ込みどころ満載だな。突っ込んだら負けなんだろうけど。
「じゃ、信じるってのはどうすればいい?」
「ただ心に強く想ってもらうだけでいいのです──」
 良かった、普通だ。
「──アイシテル、と」
 よし、無視して脳内作戦会議だ。
 実害はなさそうだが、神さまだというのは微妙か。ちょっとイってる妖怪の線も消えないよな。
 ただ、綺麗な人だし、女神さまだっていうし、声は俺の好みで、愛してると言ってもいいくらいだ。
「あぁ、来ました」
 那美が光り出した。何で?
「あなたが今、私をアイシテルと思ってくれたから。力がみなぎって来ます」
 いや、声だけのことだったんだが。まあいいか。
 光が凝縮し、那美の胸の前で強く光り輝き、やがて消えた。
「これを」
 光が消えて現れたのは、でかい曲玉まがたまだった。
「曲玉だな。これを俺に?」
「飛行石です」
 飛行石? 欲しいぃ! じゃなくて、空を飛べるってことか?
第4巻:page40 < 次  枕部之印  前 > 第4巻:page38

【お知らせ】
広告のお申し込み・当ページプログラム販売など承ります。委細メールにて。
(著作表示より送信)
 
▽ 基礎知識 ▽

平安用語の基礎知識
 
関連用語の基礎知識