印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page43 -
 次の作業は少し冷めてからになる。火傷したくないから。
 先に米の方が冷めたので、同じくらいの大きさに丸め(どのくらいかというとおはぎくらい)、大皿に置いていく。
 餡が冷めたら、米に乗せていくが、ここは赤福ぽく、3本の指の跡を付けてみた。赤は赤飯と同じで小豆の色、福は大福の福だが、指の跡を考えると虎なのかもしれない。
 ずらりと並ぶ、おはぎ。甘くしたので漬け物があった方がいいな。それと焙じ茶にするか。
 漬け物を切って、お茶を焙じ終わる頃、みんなが帰ってきた。流石である。
「……お腹空いた」
「あ、ちゃんと作ってあるじゃない、光、偉い!」
 ゆかりの方が偉そうな口ぶりだが?
「これって何?」
「あれ? てるは赤福知らないのか?」
「赤福? 聞いたときない」
 赤福は江戸時代だったか。それに、聞いたとき、じゃなくて、聞いたこと、だろ。
「じゃなくて、これはおはぎだよ」
「ああ、なら知ってる。はぎのもちのことね。私、おはぎ大好き!」
「まあ、この子ったら。妾も小豆が大好きですから、嬉しいです」
「そりゃ良かった」
 神さまはおはぎを食べるようだ。まあ、この後のことを先に言うと、何でも食べるのだが。
「お姉ちゃん、こっちで手ぇ洗って!」
 新しく来たふたりに手洗いすることなどが説明されている。いいことだ。
「なあ、ゆかり、お姉ちゃんって何?」
「お姉ちゃんはお姉ちゃんのことじゃない」
「お前の姉ちゃんじゃないだろ」
「昨日の子供も、ウチらのことお姉ちゃんって呼んでたでしょ? それと同じよ」
「牛車の中で話して、神さまぢゃというし、名前は畏れ多いのでお姉ちゃんと呼ぶことにしたのぢゃ」
「へぇ、まあいいけど、じゃ、てるは?」
「てるは、てるやん」
「てるやん、って呼ぶのか?」
「ちゃうて、てるて呼ぶうてるやん」
「やっぱ、てるやんか」
「てぇ! るぅ!」
 ムキになるなよ瑠璃、ちょっとからかい過ぎたな。
「怒んなよ。でも、あいつも凄い神さまなんだぞ」
「……同い歳くらいだから、いい」
 ま、いいけど。
 あっという間にお膳が用意され、箸と銘々皿を配り、お茶が淹れられた。軍隊並の機敏さである。
「いただきます」
「「「いただきまーす」」」
 まあ、女の子が好きそうな食い物だよな。甘いおはぎは初めてなのだろうが、違和感なく食べているようだ。
 牛車の中で色々話したらしく、ふたりも、もう馴染んでいる。
「さやも那美をお姉ちゃんって呼ぶのか?」
「はい。設定と実年齢は分けているんだそうです」
「意味が分からん」
「それにしても、やっぱりまた増えましたね」
「ああ、けどさや、俺のせいじゃないだろ?」
「光のせいです。光がいなかったら来なかったと思いますけど?」
「そう、か」
「まあ、おはぎに免じて許してあげます。私も小豆が大好きですから」
「甘いのってどう? 塩味が普通なんだろ?」
「はっきり言っていいですか?」
「あ、ああ」
「甘い方が好きかもです」
「そう、良かった」
「本当に光は妙なものを考え出すのぢゃ」
「ホンマやわ、甘いあんこて」
「変か?」
「めっさ美味いし」
「そうぢゃな、めのこは絶対に好きぢゃ」
「なあ、飛鳥、ビールを仕込んだんで、瓶が作りたいんだが、いつならいい?」
「いつでもぢゃ。この後からでも構わんのぢゃ」
「おし、じゃ休憩したら頼むな」
「心得たのぢゃ」
 食うなぁ、しかし。全部なくなってあんこまで舐めてた。
「そうそう、那美ぃ、神棚を奉ったんだけど」
「神棚、ですか?」
「ああ、ほら、そこ」
 指さす先にあるのは誰が見ても神棚である。まあ、神棚が作られるようになるのはずっと後なのでこの時代の人は知らないのだが。
「鳥居と社も置いたぞ」
「ええ、とても立派で、あれなら十分です」
注連縄しめなわは?」
「てる、ごめんな、注連縄は間に合わなかったんだ」
「……ある」
「そ、そうか。あそこに吊れるくらいの小さいのが欲しいんだが」
「……分かった。一緒に来て」
「俺も行くのか、まあ荷物持ちとして必要かもな、よし行くか」
「片付けるから、ちょっと待ってよ!」
「ゆかりは行かなくていいだろ?」
「行くに決まってるじゃない」
 片付けを終わると、いつものように行列は進んだ。
 しずかの後をついていくが、自宅の方向じゃないか?
「……ここ」
「こ、これは……」
 そこには『安倍晴明☆開運☆陰陽道具』という看板が出されていた。
「……光に倣って店を始めた」
「売るんかい!」
 まあいいけどさ。
 音流府に行くのとは違う方角だから気づかなかったのかもしれない。
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