印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page44 -
「……これ、金運の黄色」
 いや、それ風水だから。
 って、陰陽道って風水(正確には日本風水)のことだった。
 ちなみに、看板の『安倍晴明☆開運☆陰陽道具』の星印は五芒星ごぼうせいになっていて、安倍晴明の桔梗ききょう印という由緒正しいものだったりする。一筆書きする普通の星印だが、あれは桔梗の図案なのだそうだ。
 適当なサイズの注連縄を買ったのだが、どう考えても高い。しずかの家のことだからまあ仕方ないか。
 女の子たちは開運陰陽具を物色しているので、待ってやることにした。
 虎が多いのは、唐とか宋の言葉で、虎の発音と福の発音が似ているからだろうか。だから赤福の福が虎かもって思ったんだが。
 へびかえるの置物があった。白蛇がどうとか、蛙は帰るに繋がるとか、何かあったな。
「ん? どうした那美?」
「これは……三竦さんすくみで、動けなくなってしまいました」
「いや、置物だし」
「妾は蛙が苦手なもので」
「だったら、逃げればいいじゃないか」
「でも、蛇は好きなので」
「お前はナメクジか!」
「いえ、女神ですけど、妾にはナメクジ的なところがあって」
「へぇ、何? 性格的なものか? よく分からんが」
「ぬらぬらと、ナメクジが這った跡のような粘液が……」
「言うな! それ以上言うなよ!」
 下ネタだった。
 欲しいのがあったやつは買っているようだ。
 何だしずか、関係者割引って。俺の注連縄は? あれは枕部のだ? いや、お前枕部だし、っていうか俺の自腹だし。
 
 そのまま飛鳥のところへ行ってもよかったのだが、注連縄が邪魔なので一旦戻ることにした。
 結局、注連縄は安くならなかった。
 注連縄を上から吊し、例の紙の尻尾みたいのを飾り直した。もう、どこから見ても立派な神棚である。
 いや、待て、勢いでやっているが、そんなにしてたら居着くんじゃないのか?
「光さま、主上おかみがお呼びです」
 飛び込んで来たのは内舎人うどねりだった。
「分かった、すぐ行く。飛鳥、主上がお呼びだからちょっと行ってくる。ここで待っててくれてもいいし、帰っててもいいからな」
 そう言って、俺は主上のところへ向かった。
 外からちゃんと正式に入る。
「主上、光です」
「はい、こちらへ」
 御簾は上がっていてた。
「お呼びにより参上いたしました」
「はい。で、この前言った相談なんですが……」
 しばし話を聞いて、相談というのに乗った。大したことじゃないんだが、相談する相手がいないということだろう。プライベートなことなので一応秘密だ。ただ、帝からあんまり詳しく話されると、定子さまの顔が見れなくなるかもしれない。つまり、そんな内容なのだ。
「で、話は変わりますが、佐渡島に行くというのは勅使がいいですか、それとも国司がいいですか?」
「国司なんてとんでもないです、俺なんて。勅使だとお使いですからいいかもしれませんけど、でも何の勅使です?」
「勅使は朕の代わりです。朕の代わりにその土地土地の料理を調べて来るというのはどうでしょう」
「そんな勅使っていいんですか?」
「聞いているかもしれませんが食日本紀しょくにほんぎというのを編纂へんさんするつもりですから、そのためにも必要だと思います」
「主上が仰るなら」
 国司のトップは受領ずりょうで大名や県知事という感じだが、勅使はお使いだから身分の高い人はやらない。江戸時代の勅使饗応役ちょくしきょうおうやくに絡んでの浅野長矩(あさのながのり)と吉良義央(きらよしひさ)の一幕は有名、なおよく耳にする内匠頭たくみのかみ上野介こうずけのすけというのは官位で、吉良さんは左近衛権少将さこのえごんのしょうしょうでもあるので、左近と呼ばれることが多かったらしい。
「それでは、そういう通達を出しますから、枕部はいつものように全員参加ですか?」
 帝にまでそう思われてるんだ。
「はぁ、多分」
「大人数ですよね、度々増えますし」
「はい。昨日からまた2人増えました」
「今度はどんなめのこですか?」
「あ、やっぱり女の子だと思われちゃうんですね」
「違うんですか!?
「そんなに驚くことでもないですけど、女の子じゃなくて女神なんですが」
「えっと、間違ってたらすいません、女神というのは女の神さまのことですか?」
「はい。イザナミとアマテラスが入りました。神さまなので、正確には二人じゃなくて二柱ですが(笑)」
「す、凄いですね」
「そうでもないです。枕部に神棚を作りましたから、そこにいます」
「それを平然と言うんですから、光は凄いです」
 別のことで感心されているらしかった。
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