印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第4巻:page46 -
 翌日、今度はビールグラス作りである。
 その前に瓶の仕上げを全員でやってからだが。
 金型を削るのに棒を回転させるのを作ってやったのだが、結局それを砥石にして削って、刃物にも使っていたという。つまりグラインダーだ。これがあれば切子もできるかもしれない。
 吹いたガラスの底を平らにしてから少量のガラスを付けた他の棒を反対側から付け、吹き棒側を鋏で切り取り、回転させながら濡らした反古(いらなくなった紙)や板で形を整える。加熱したり形づくったりして、最後に棒を取り去り徐冷する。
 いくつかやったら結構形になってきた。型があれば簡単だったな。
 割れたり失敗することも考慮し、五十個作った。半分くらいは使えるんじゃないかな。
 ここで食事と休憩、徐冷が終わったら切子体験である。ただし、できのいいグラスは保管して、そうじゃないものだけを切子にする。
 これは着物が確実に汚れるので、全員が湯帷子ゆかたびらになり、大騒ぎで削った、らしい。いつもは全員参加なのだが、てるが反対したので俺は不参加となった。
 でかした、てる!
 なので白台に跨がり、ビールの様子を見に荘園に行った。
 来てるな、発酵してる。試しに飲んでみると、微炭酸で、甘い中にはんなりとしたほろ苦さとちょっとだけアルコールを感じた。ビールかどうかというと微妙。
 京に戻り枕部に行くと、万斎家が完成したという書き置きがあった。
 みんなは切子をした後、沐浴して蒸し風呂にも入ると言っていたから、髪とかを乾かすと今日は帰って来ないだろう。
 俺の用を片付けられるな。
 まず、伊周さまの屋敷に行って、万斎家のこと、特に人員などについてお願いし、ビールの報告と、トイレ・手洗いについて再度打ち合わせした。まあ、万斎家開店を見越して、鶴屋と亀屋に研修で入れているのも結構いるから、追加するのは少なくていいだろう。
 次に修理職すりしきに行って、直角を呼び出し、万斎家に同行する。
 万斎家の直したいところや、追加を言っていく。そんなにはなかったので数日でできるらしい。それが終わったら、次は鶏小屋を建てるように頼んだ。場所は京の外の木材を置いてあるあたりでいいだろう。
 ついこの前発注した唐箕の変形のやつがもうできているというので修理職に戻り、受け取った。でかいし重いのだが、必要だと思うから持って帰らないといけない。急遽、丸い板2枚を打ち付け、車状にしてもらい、牽いて帰った。
 これがあるならばと、ガラガラ引きずりながら、飛鳥のところへ向かう。
 何本か前の小路からでも聞こえる、数々の歓声。苦情が来なければいいが。
 そこに向かう、妙な箱をガラガラ引っ張る狩衣の男。通報されなければいいが。
 飛鳥のところでは、ありえない光景が目に飛び込んできた。一言で言うと、パラダイス?
 流石に諾やさやは湯帷子のままだが、ゆかりとか全裸なのもかなりいる。那美は、ボッティチェリのビーナスの誕生みたいなことをしたかと思うと、次はアングルの泉みたいなことをしていた。流石は女神、壺から延々と水が流れ出している。
 そっと工房へ行き、それから大声で戻ったことを告げた。
「「光だ!」」
 何人かの声が聞こえる。
 しばらくすると、髪は拭いただけだが、着物は着て現れた。
「ねえ、それ何よ」
「あ、気づいちゃった?」
「それだけ大きいと嫌でも目にはいるのぢゃ」
「……唐箕とうみ?」
「ああ、似てるけど違うんだ、やってみせるな」
 送風機の後ろに火鉢に入れた炭(工房のやつ)をセットし、ハンドルを回す。
 当然、前からはちょっと熱い風が出てきた。そう、ドライヤーである。髪を乾かすのが大変だからな。
「何これ!」
「髪の毛を乾かすものだよ。温風扇っていうんだ」
 送風側の高さはこのためだったのだ。
 代わりばんこに、回したり乾かしたりした。回すのが大変だが、何倍も早く乾くのは画期的だという。
「驚くなよ、これは別の使い方もあるんだ」
 全員の髪が終わったので、火鉢をどけ、今度は水桶と薄い布を貼った枠を取り付ける。
 熱を逃がすために、しばらく回転させ、その風の感じも覚えてもらう。それから、水を流すと布に染み込んでいった。
「あ、涼しい!」
「だろ? 冷風扇っていうんだ」
 これもみんなで体験。
「ひとつで、熱くなったり涼しくなったり、これは凄いものぢゃな」
「これでさ、ビールを冷やすんだ。冷たい方が美味いから」
 美味いという単語に反応するパブロフの犬たちだった。
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