印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page5 -
 俺が枕部に戻ると、それはいた。
「あれ、また会ったっちゃね。京まであかねに送ってもらって、門番の人に聞いたら、光源氏ならここで待ってろと案内されたっちゃよ」
 門番は何してんだ? 通しちゃだめだろ。
「ここには来ないと思うが」
「そうけ、これを見したかったんだっちゃが」
 出したのは、砂、だ。金色に輝いている。
「お前、これ、どうした」
「ん? これけ? 拾ったっちゃ」
「もしかして、相川辺りでか?」
「違うっちゃ、真野だっちゃよ、おめ、これを狙ってもやらねちゃよ」
「狙わないって」
 みんなが続々と戻って来た。
「光! 黙ってどこかに行くとみんなが心配するじゃない!」
「一応、貴子さまには、昼までには戻ると言っといたんだが」
「マジ?」
「ああ」
「お母さまったら、肝心なとこ言わなかったのね」
「まあ勘違いしたわれらも悪いのぢゃ」
「あの、置き手紙は何だったんですか?」
「置き手紙? そんなのあったか、諾? ああ! ありゃラノベだ。文章とか考えたら書き留めておかないと忘れるだろ」
「……ごめんね、光、今度は守るから」
「何が?」
「……ちゃんと部屋に結界を張ったから」
「それがあるとどうなるんだ?」
「……光が何を考えて何をしているのか全部分かる」
「消せ! 今すぐその結界とやらを!」
「あの、みなさんお気づきかと思うのですが、この方は?」
 あぁ、那美、気づいちゃったか。
「よし、みんな、よっく聞け、この人は佐渡島から光源氏さんを探して来たんだそうだ。それでその光源氏さんの嫁になりたいと言っている。けど俺は光源氏さんを知らないから何もできない。どうしたらいいと思う?」
「帰ってもらうのぢゃ」
「そうね、それしかないわね」
「……残念」
「あら、みなさん何を言ってらっしゃるのかしら、光源氏ってむむむ……」
「お姉ちゃん、ちょっと来てくれへん」
 瑠璃の咄嗟の判断で那美の口は塞がれ、地下に連れて行かれた。黄泉の国から復活したくらいだから、息くらいできなくても大丈夫だろう。
「怪しいっちゃね、なんか隠してるんけ?」
「いや、まったく」
「ねぇ、あんた名前は?」
 やめろ、モトちゃん、名前とか付けると捨てにくくなるんだぞ、ペットのことだけど。
「うちは朱鷺ときだっちゃ、佐渡にいる鳥の名前と同じっだちゃ」
 ほら、ニッポニア・ニッポンなんて言われたら捨てられないじゃないか。
「てる、見たときないから、見てみたい!」
 ああ、俺も見たことないから見たいな。俺の時代だともういないんだ。で、見たときじゃ……見た朱鷺ときない、合ってる、か。
 それで俺の知的好奇心が疼いてしまった。
「なぁ、朱鷺って食えるのか?」
「うちを食うのけ!? 鳥の方? ああ、うんめっちゃ」
 食うんだ、やっぱり。
 丹頂鶴だって将軍に献上されてたらしいから、何だって食うんだな。
「分かりましたから、瑠璃、大丈夫、妾を誰だと思っているんです?」
 階段からそんなことを言いながら二人が上がってきた。瑠璃が片手で拝んでいる。神でも仏でもなく、ごめんってことだな。
「朱鷺と言いましたね、あなたいくつです?」
「うち? 17歳だっちゃ」
「おい、おい。え? どうしたんです? みなさんやらないんですか?」
「なぁ、那美。17歳に普通は『おい、おい』は付かないんだ」
 気持ちは分かるけど。
「そ、そんな、今までの妾の人生はいったい何だったのでしょう」
 よよと崩れる那美、それほどのことか?
「母さま、大丈夫です。てるも一緒に『おい、おい』やりますから」
「てる、やんなくていいから」
「で、どうするんですか。まさかそんなこと言って追い返すんじゃないでしょうね」
「えっと、さやはどうしたいわけ」
「ちゃんと本当のことを言って話し合うべきです」
「あの、私もそう思います」
「諾もか?」
「あ、はい。佐渡から来るって並大抵のことじゃありませんよね。事情があるかもしれないですし」
「私もそう思いますわ」
 夕月も、こいつら枕部うちの良心だな。
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