印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page6 -
「そうか、お前ら真面目だな。よし分かった。朱鷺とやら、本当のことを言おう、俺がその光源氏だ!」
「何を言ってるっちゃ? そんなわけないっちゃよ」
「何で?」
「いい男だと評判だと言ったっちゃろ? おめ鏡見たことあんのけ?」
「失礼だな、あるよ、鏡くらい」
「だったら、その中に答えがあるっちゃ」
「──分かった、もういい。この話は終わりな。それより腹減ったから何か食おう」
 枕部で最優先される言葉、言った瞬間に統率が取れる言葉。
 面倒なので、万斎家で食うことにした。最近は手抜きで良く使っている。
「朱鷺も来るか?」
「いいんけ?」
「飯くらい食っとけ、おごってやるよ。その代わり食ったら帰れ」
 枕部行列で万斎家へ、休憩室があって、鶴屋・亀屋のスタッフもここに来て休憩する。俺らが食うのもそこだ。
 惣菜をチョイスして食うこともできるが、定食もある。大盛りにしても値段は変わらず、味噌汁のお代わりも無料だ。自家製味噌が使えるようになったからな。
「これも、んめな」
 凄いな、食いっぷりが。
「なあ、お前、本当は何しに来たんだ?」
「ん? 仕方ねぇ飯の礼にちょこっとだけ教えてやるっちゃ。うちの村は妖怪に苦しめられるっちゃよ、だぁすけ、助けに来てもらおうと思ったんだっちゃ。光源氏ならきっと助けてくれると役人も言ってたんだっちゃ」
 言葉というのは脳内でエレメントに分解されて、再構成した上で理解しているのだと思う。知っている言葉と知らない言葉では認識度合いが違うのだ。例えば、英語を聞いた場合でも、そのまま意味を理解するか、日本語に翻訳して理解するかではかなりの違いが生じる。親が新潟なので新潟弁を理解してしまうため、時折、そのままの表現が出てくるかもしれない。
 佐渡は流刑地にもなっていて、人が送られたのだが、京からが多いのは理由がある。たまに罪人が流されたという人がいるが、咎があってではなく、流刑は為政者にとって邪魔だからなのだ。思想犯であり、いわゆる罪を犯したのとは違う。思想が違う者が京にいては困るから流しているのである。
 佐渡ではないが、菅原道真が流刑とされたのを罪人だというなら入試に合格することは難しいだろう。
 閑話休題。
「──へぇ~」
「その妖怪に村の美少女をにえに出すっちゃが、それがうちに決まったんだっちゃよ」
「「「美少女ぉ!?」」」
「お前ら失礼だろ、きっと鏡がない村なんだよ」
「さっきのお返しのつもりけ? 佐渡一番の美少女に何言ってるんだっちゃ」
 謝れ、佐渡の美少女のみなさんに謝っとけ!
「──よし、戻るか。まあ京見物でもしてけ、じゃあ気をつけて帰れよ」
「いいんですか、光さま、光源氏を頼って来た人に」
「仕方ないだろ? 光源氏だって言っても信じないんだから」
「そうですけど、ちょっと私が面倒を見てもいいですか?」
「ああ、そうしてやってくれ、俺だって鬼じゃないんだから」
「ありがとうございます」
 諾だけでなく、ゆかりとモトちゃんも残るという。話がややこしくなるのを避けるため、監視役としてさやも残ってもらった。
「さて、飯も食ったし、色々疲れたから帰るか」
「光、馬車の車輪ができて組み立てさせていたのぢゃが、見に行かぬか?」
「そうだな、よし、行ってみるか」
 車大工のところに連れ立って行った。
 
 俺がイメージしたのは馬車と言っても幌馬車だったのだが、実際に目の前にあったのは牛車に近く、形がシンプルで縦に少し長いものだった。適当に指示したらこうなった。おかげで8人くらいは余裕で乗れる大きさになった。牛車にはない制動棒ブレーキが着いているのがポイントで、これがないと下り坂で大変なことになる。足で棒を踏むと、その棒が車輪を擦るという原始的なものだ。
「こりゃどうも、光さま。いかがです?」
 車大工が近づいて来た。言った通りには作るのだが、革新より伝統という職人なので、どうしても牛車っぽさが残るのだろう。
「ああ、いい感じだ。御者台は言ったように作ってあるのか?」
「はい、確かめながらお言いつけ通りにいたしました」
 御者台の座る部分、つまりベンチだが、板なのでちょっとした角度や丸みで座り心地がまるで違う。ただの平らな板より、カーブしているベンチの方が楽に座れるのだ。
「ちょっと乗って見るな」
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