印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page7 -
 座ってみると、結構いい感じである。
「いい感じじゃないか。これなら十分だ。機能も大事だが、人が使うことを忘れちゃだめだからな」
 俺は職人に話すとき、必ずこれを言っている。伝統を守りながら、新しいものに挑戦すること、機能を追うのも大事だが、人間が使うことを忘れてはならない、と。何のためかというと、ちゃんと理由があるのだ。今から職人にそれを伝えることで、後々の南部14年式が少しでもまともになればという願いからである。ちゃんと握れないグリップとすぐに暴発する機構、『味方殺し』とまで言われた銃がより良いものになって欲しいから。
「お、源氏みなもとうじも来ておったか、ん? また増えたな」
 ハムスターみたいに言われてるし。
「はぁ、そうなんですよ。ゾロはどうしたんです? 馬なんか連れて」
 信長と猴・狗・禽が一頭ずつ馬を牽いている、自分の馬じゃなく、鞍も着いていなかった。4頭なのは2頭立てで2台あるからだ。
「馬車なら馬を付けて走らせんとちゃんと試したことにはならぬからな。儂もやってみようと連れてきたのだ」
「その馬は使っていいやつですか?」
「心配か? これは兵部の馬で儂が借り受けたものだ。よし繋げろ」
 うちの馬車を2頭立てにしたのは、遠くに行って死んじゃったら困るという心配によるものだ。牛車の牛が死んだのを見たからなのだが。
「よし、お主やってみろ、儂が隣で教えてやるから」
 いきなり俺が手綱を取り、隣に信長が座っての御者講座である。
「大丈夫だ、兵部でちゃんと調教された馬だ、儂の至遠じおんのような荒い馬ではない」
 軽くぴしっとやると、ゆっくり走り始めた。最初だけちょっと衝撃があるのは、電車のような感じである。
 牛車との違いは、4輪であること、馬と繋ぐ棒が車体を持ち上げるのではなく、引くだけだということだ。車輪は前後輪を同じ大きさとした。これは壊れた際に予備車輪と交換して直しやすくするためである。
「それでよい。最初から走らすことを考える必要はないかなら。なあ源氏、一台は儂の方で色を塗っても良いか?」
「ええ、いいですけど、片方だけですか?」
「ああ、もう一台はお主の方で塗っておけ。どちらがいいものができるか競おうではないか」
「はあ、どんな色にするんですか?」
「ん? それは秘密だ。言ったら競うことにならんだろう」
「分かりました、じゃ、俺の方は枕部に持って行きますね。馬は兵部省の方ですか?」
「いや、いつもの馬小屋でいい。あそこは枕部専用にしたからな」
 思った通りに何でも押し通すからな、この人。
「よし、少し走らせてみるか」
 また、そういうことをさらっと言う信長である。
「え? さっき走らせなくていいって」
「気が変わった、やってみよ」
「は、はい」
 広い馬場までゆっくり歩かせ、そこでムチを入れた。走った。びびった。
「はっはっはっ、お主、なかなか思い切りがいいな」
 知らないからやったんで、どちらかというとビビりなんだが。
 よく考えたら、俺が練習してるのって、御者をするってことだろうか。
「さて、戻るか、で、出立はいつにする」
「俺の方はもうすぐ出られます。信長は?」
「儂もいつでもかまわぬ。冬になると金山を探すこともままならぬから、行くなら早めがいいだろう」
「分かりました。数日中に新しい酒のお披露目をして、5日後くらいには出るようにしますか」
「であるか、ならばそのように準備するとしよう」
 馬車で戻って、信長を降ろし、みんなを乗せると枕部を目指した。
 もう完全に御者だな。
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