印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page12 -
 サクっと果物ゲット。
 りんごを5個だけだから、大膳職の連中もホっとしている。りんごと言っても、小さくてすっぱいものだ。
「明後日だけど、帝と定子さまと詮子さまと道隆さまを呼んで食事会をするんだけど、何かくれない?」
 りんごだけじゃなかったのかと唖然とする中を物色して回る。
 なるほど。欲しいものはあったが、今から確保すると鮮度の問題もあるので止めておく。
「また明日見に来るから、よさそうなの入れて取って置いてくれよ」
 また明日くるそうですなどというささやき声に送られて、大膳職を後にした。
 帰るとリンゴの皮をできるだけ薄く剥いて、スライス。鍋に放り込んで少量の水と大量の水飴を入れて中火で加熱。思いついたことがあったので、別の鍋に水飴を入れて、こっちは弱火で加熱した。
 水飴をかき混ぜたり、りんごをかき混ぜたりで忙しいので、さやと夕月を呼んで、ふたりにかき混ぜてもらう。
 パンはどうなったか触ってみるとかなり冷めていたので、ひっくり返して中身を取り出し、ふたつを適当な厚さにカットした。ひとつはパン粉用なので切らすに取っておく。
 水飴はかなり粘度が高くなっているので、火から下ろすが、もう少しだけかき混ぜてから冷ます。りんごもねっとりしてきたので、これも降ろし、これは器に移しておく。もったいないから、スプーンでよく中身を取り出した。
 リンゴジャムである。
 パンとジャムをテーブルに置き、スプーンの背で塗ってぱくり。酸味の強いリンゴの方がジャムに合うな。そうでなければレモン汁なんかを加えるといい。それを見たみんなが我先にとジャムを塗り始めたので、スプーンを2本追加した。
 甘いの好きだからな。
 何枚か食べると、水飴の具合を見に行った。
 粗熱が取れ、熱いが触れなくもないという感じになっている。
 スプーンの柄の方で少し取って竹串に刺し、適当に形を作る。首を長くしてクチバシを付けると、ほぼ鶴に見えるはずだ。
 次は丸くして先をちょっと引っ張って、羅螺にしてみた。これは簡単。竹串で刺して目と口を作る。
 適当にいくつも作って、余った水飴はこそげ出して、引いて折り返してを繰り返し、空気を入れていく。1センチくらいの棒に延ばしてから包丁で切った。
 最初に作ったものを触ってみると固くなっていたから成功である。形はともかくだ。羅螺が多いのは一番簡単だったからにほかならない。
 皿に盛って、持って行くと、味より形に目が行ったが、食えると言うと一斉に口へ。
 関西の人は『飴ちゃん』が大好きだよな。
「あまーい」
「うまーい」
「らーらー」
 喜んでもらえると俺としても嬉しい。羅螺が何と言ったのか分からないけど。
「羅螺の飴は形はいいけど、色がダメね、だそうです」
 緑色、失礼、エメラルドグリーンか、食べられるものでその色って何で付ければいいのだろうか。
「そうか、色な。なあ、飴細工なんだけど、お前たちならどんなの作る?」
 そう言うと、あーだこーだと話が出て、大抵は使えないものなのだが、中には採用できそうなアイディアもあった。今度はみんなで作ろう。
 食事の後、紅茶でまったりしていた。
 ふと見ると、もうひとつのパンがなくなっていることに気づく。食いやがったな。
「そこに置いといたパンは?」
「……食べた。パンが好きになったから」
 やっぱりか、また作るのは面倒なのでパン粉は諦めるか。こいつらの目の付くところに食い物を置いて、目を離した俺が悪いのだ。
 そこに皇太后職の使いっ走りが来て、皇太后さまが俺を呼んでいるという。
 行かなきゃならないよな。流石に誰も来るとは言わないので、ひとりで詮子さまのところへ向かった。
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