印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page13 -
「伊周から光が作った酒を飲む会を開くと誘われたんどすけど、他に呼んでもかましまへんやろか?」
「はい。ただ、どなたをお呼びになるかは言ってくださると助かるのですが」
「ああ、それなら今ここに来てはるから、紹介しときまひょなぁ」
 そう言って、御簾の方へ手招きすると、中から出て来たのは詮子さまと同じくらいの年格好の女性だった。身なりからかなり高貴な方だろうと想像できる。
「こっちゃが太皇太后、こっちゃは皇后どす」
 え? 仲が悪いのかと思ってた。
「こん人らぁは、まあ昔は色々あったんやけど、今はええ飲み仲間なんどすえ」
「初めまして、太皇太后やってます。光くんの噂は聞いてて、会いたいなぁって思ってたんです」
 な、何でそんなにガーリーなの。声的にはあの未来人(大)である。
 この人は皇族から冷泉天皇の中宮(入内は東宮)になられた方だから浮世離れも当然かもしれない。冷泉天皇は父の弟の子、つまりは甥に嫁いだことになる。そのせいか子供はできなかった。ちなみに、後の和泉式部が今は童女として仕えているはずだ。
「あんたが光ちゃんか、思ったよりあれね。まあ料理が美味くて、酒を飲ませてくれるなら可愛がってあげるわ」
 この声は、なんというか生徒会長な感じだな、よく刀(木刀・竹刀)を持ってるように思う。
 詮子さまと中宮を巡って争い、中宮の座は得たものの男子を産まなかったため、詮子さまの皇子が帝となったわけだ。
 ちょっと整理しておこう。
 60 醍醐天皇
 ├61 朱雀天皇
 └62 村上天皇
  ├63 冷泉天皇
  │├65 花山天皇
  │└67 三条天皇
  └64 円融天皇
   └66 一条天皇   ←いまここ
    ├68 後一条天皇
    └69 後朱雀天皇
     ├70 後冷泉天皇
     └71 後三条天皇
 次の三条天皇の生母は詮子さまの姉、道隆さまの妹で、既に亡くなっている藤原超子ちょうし/とおこさまで、その次以降の後一条・後朱雀天皇は彰子ちゃんの子供たち。定子さまには彰子ちゃんより九年も先に男子が生まれているのに、だ。彰子ちゃんはまだ2歳だし、その子が生まれるのは18年後のことなので悪く言っても仕方がないのだが。
 ちなみに、3人には内緒で教えておこう。当年取って昌子しょうし/まさこ内親王さまが40歳、藤原遵子じゅんし/のぶこさまが33歳、藤原詮子せんし/あきこさまが28歳だったりする。
 おふたりとも酒好きという感じがひしひしと伝わってくるな。
「このふたりも行ってもよろしおすか?」
「もちろんです。伊周さまには俺から伝えておきます、伊周さまも喜ばれると思います」
「嬉しいです。色々聞いてもいいですか?」
「このまま帰れるとは思ってないわよね」
「まあ、それなら飲みながらにしまひょか」
 すぐに酒が用意され、酒宴となった。凄い飲みっぷりである。
「アッコはいいわよね、おのこを産んでご生母さまだもん、めのこしか産まれなかったって仕方ないじゃない」
 アッコというのは詮子さまのことのようだ。
「またその話ぃ? もう耳にタコができてるわよ。マコさんはお子さんが養子だけなんだから、その話はナシって言ったでしょ?」
「帝のご生母さまよ、言いたくもなるわよ。 マコちゃんだって産みたかったでしょ?」
 マコというのは昌子内親王のことだろう。この時代、40歳では産めないよな。現代なら全然問題ないけど。
「それはそうですけど……次の帝は誰なんでしょうね? 次のご生母さまになられるのは?」
 一斉に俺を見る3人、未来人だというのもご承知らしい。
「き、禁則事項です」
 言っちまった。言わないようにしてるんだが。
「なんですかぁ、それ?」
「言えないってこと? 道隆からも未来は聞くなって言われてるし」
「ケチねぇ、いいじゃないの。じゃいずれの帝のお子様かとかは?」
「言ったら分かっちゃいますよ、ダメです」
「言ったら分かる人なんだって」
 3人で相談していると答えが出るのではないだろうか。帝をどう決めるか身を以て体験してきた人達なんだから。
「言いませんからね、絶対」
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