印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page26 -
「ヒカル、ちょっと不安なんですが」
「何?」
「ヒカルたちの馬車には神棚がありますよね、私の乗る馬車にはありますか?」
「ないんじゃないかな、聞いてみるか?」
「ええ、できたら付けて欲しいんですが」
「どうかな、ゾロ次第だから」
 ややこしくなるから、みんなは残し、俺と伊佐だけで信長を探しに行った。馬車を置くとしたら兵部省の方だろう。
 行くと、それはあった。
 ああ、やっぱりな。鉛丹できっちり塗られている。神社とか鳥居の朱色。前の時代でこの色を好んだというのは聞いたことがない、というか武田の赤備あかぞなえだから、どちらかというと嫌いじゃなかっただろうか。
「お、源氏みなもとうじか、見られてしもうたな」
「あ、ゾロ、やっぱりこの色でしたか」
「何だ、見破られていたか」
至遠じおん(ゾロの馬)が朱色でしたから。でも武田の赤備えみたいで嫌いかと思ってました」
「ああ、嫌な色だな。だからこそ真似ておるのだ。赤かろうが黒かろうが関係ないのだとな」
「そうでしたか。あのそちらに伊佐を乗せて欲しいんですが」
「儂ひとりだから、何人でも構わぬ」
「あの3人はどうするんです?」
「あやつらは御者だ。3台あるからちょうどだな」
「それで、ゾロって神さまをどう思いますか? 神棚とかあってもいい人ですか?」
「儂が今川とやり合う前に熱田神宮に参ったのは知っておろう、神棚があって悪いはずもない」
「それはよかった、じゃあ、神棚を付けてもいいでしょうか」
「もちろん構わぬ」
「では、早速手配してきます。ふたりはそこで待っててください」
 修理職に行き、頼んで棚を付けてもらった。
 また行って来ますと言って、今度は晴明さんのグッズコーナーに行く。
「これは、これは、光殿、しずかがお世話になっております」
「いえ、こちらこそ、晴明さま」
 ちょうど晴明さまがいらした。様子を見に出て来たところだったようだ。
 同じ注連縄と紙垂を取り、これをくださいと言った。
「どうぞお持ちください。枕部の皆さんには無料にするように言ってありますから」
 なん……だと?
 礼を言って、馬車に戻り、注連縄と紙垂を飾った。
「そんなに急がずともよい」
「ヒカル、碁盤は重いので、出立する際にうちに寄ってもらって乗せることになりました」
「了解です」
「儂も伊佐殿がいると、囲碁で暇がつぶせるから何よりだ。旅の間に少しは強くなるかもしれんな」
「ですね。強い人と打つのが一番だって聞きましたから」
「ヒカルも私と打つのですよ」
「ええ、ぜひ」
 信長に明日の出立について、辰ひとつ7じに枕部にと確認して別れ、枕部に戻った。
 俺はいつもの場所に座ると、伊佐に話しかける。
「よかったな、神棚を付けてもらえて」
「ええ、一安心です」
「なあ、那美、お前ゾロの方の馬車の神棚に入ってくれないか?」
「はい、構いませんが」
「ちゃんと注連縄も紙垂も、晴明さまから飾ったから」
「あ、はい。なくてもいいのですが」
「晴明さまから、枕部はにするように言ってあるって聞いたんだが」
「……お、お、お父さまに会ったの?」
「ああ、会った」
「……聞いたってこと?」
「ああ、全部聞いた」
「……大丈夫、あのお金は私のためじゃないから」
「何に使うんだ?」
「……枕部のために使う」
「例えば?」
「……経費で買えないものを買う」
「それって何?」
「…………笑顔?」
「それは無料だろ!」
 何でも全部経費でまかなってるし、旅だって勅使だから全部経費だ。そうでなくても食日本紀の編纂があるから、およそ食い物なら全部経費で落ちる。これまでで自腹だったのは注連縄くらいのものだから。
「まあ、俺はいいけど、みんなのは返せよ。お前、神さまから金取るなよな」
「……分かった」
 ちゃんと金を返しているから、まあいいか。
 明日、辰ひとつ7じまでに集合するように言って解散した。
 そのまま帰り、あかねを呼んで支度を確認する。
「じゃ、これでいいな、あかねの準備はできたか?」
「はい、あたしのも原子さまのも終わっています」
「あ、馬車だけどな、俺と同じ昼の絵の方だから」
「わかりました」
「よし、飯だな」
 モトちゃんも誘って夕食に向かう。
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