印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page30 -
 そんなことを言っていたら馬車が突然止まった。休憩かな。
 1時間くらいで、少し休むのは人間のためじゃなくて馬のためだろう。
 北陸道だけでなく、七街道は30里ごとに駅がある。現代風で言うと道の駅の方が近いかもしれない。30里というのは15~16キロ、江戸時代で言うと4里ごとになる。歩くと4、5時間はかかるが馬車では1時間ほどで着く。
 着いたのは和邇わに駅だった。現代の大津市にあって、現代の距離感覚で言えば出たばっかりじゃないかというのに休憩である。ゆったり、まったりした時代だよな。
 昼までには若狭に着いて、何か食べたいところだ。
源氏みなもとうじ、ちょっとよいか」
「どうしました?」
「あの羅螺だが、なんとかならぬか」
「何か、やらかしましたか」
「いや、何もしてはおらぬが、らーらーうるさくてかなわん」
「きっとかまって欲しいんですよ。何か言ったら、『羅螺は賢いな』とか言ってやるとしばらくは黙ると思いますから」
「そうか、まあ、やってみるとしよう。では、参るとするか」
「はい」
 馬車に乗り込み、出発した。
 また雑談を1時間ほどすると、三尾駅に着いた。今度は何か飲みたいと思い、勅使の光源氏だというと大騒ぎになった。湯だけくれと言って、持参の茶器で紅茶を淹れて飲む。不思議そうに見てるので、一杯どうだというと喜んで飲んでいた。出がけに湯をもらい、飲みながら行くことにする。
 更に1時間ほどで鞆結ともゆい駅に着く。しばし休憩して出発した。
 ここからは東に行って海津を経由してぐるりと回り松原に出る。そこまでのルートを衛姥で整備してあるのだ。なので問題もなく昼頃に松原駅に着いた。飯だ!
 勅使光源氏を告げ、海の幸が欲しいので、新鮮な魚が手に入るところに連れて行って欲しいと頼む。馬で案内(駅には5頭の馬が用意されている)されたのは漁村で、知り合いなのだろう網元を紹介され、取れ立てだという魚を各種もらった。代金はというといらないというのだから仕方がない。
 戻って調理開始。男の勅使が料理をするので驚かれてしまった。かまどを借りて、水飴と醤油を湯に溶き、内臓とエラを取って洗い、切り込みを入れた魚を煮る。これは夕月に見ていてもらう。ハマチをもらったので、皮を引き、3枚に降ろして、中央の小骨部分を切り取り、刺身にする。さやにはサメ皮で持参のわさびを降ろしてもらった。日本海沿い・佐渡と巡るので、わさびは山ほど持って来ている。ひさしぶりの刺身を食いまくるためだ。これらに、駅で通常出している飯などを加え、朝食となった。お茶は既に焙じてある番茶をチョイスした。
 ずっと驚いている駅の役人を尻目に食事をする。
「見ろ、これが生の魚で作った刺身だ。知らない者もいるかもしれないから、食い方を教えるぞ。こうやって、少しのわさびを刺身に乗っけて、下の方を醤油にちょんちょんと付けて、食う。やってみ」
「なんだ、みなは刺身がはじめてか。儂はよく食っておるぞ。摂津やら伊勢・尾張にはよく行くからな」
「そうなんですか。そういえば前に煮貝にがいを買ってきてましたね」
「ああ、生のあわびは固くて食えぬが、煮貝なら食えるからな」
「美味いですよね、今なら醤油もあるから、もっと美味いのが作れるかもしれません」
「そうだな、今度そうしてみよう」
 などと話していると、わさびを付け過ぎたやつや、生の刺身が初めてで奇妙な顔をしているやつがいた。
 煮魚は好評である。
 刺身が余ったので、駅の人間を呼んで一緒に食った。刺身は塩で食う程度なのだが、わさびと醤油は更に美味いはずだ。まあ、慣れにもよるかもしれないが。
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