印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page31 -
 ここからは難所で、その通りにくさ故に、南側は近畿文化圏、以北が北陸文化圏となっている。
 道路整備では悩んだ末、山を崩したりせず、衛姥での道の整備だけに留めた。道は整備を続けないとすぐにダメになる。むき出しの土なのだから、草が生え、木が生え、すぐに山に戻るのである。十年もすると通れなくなり、数十年で見分けることすら不可能となるだろう。整備はそこまでで、その先は官道のままだから馬車には辛いかもしれないな。
 福井県はそんな文化の違う土地をひとつの県にしているのだから乱暴だ。秋田県も文化がかなり異なるのをひとつにしているよな。静岡県は文化はともかく、電気が50ヘルツと60ヘルツでまっぷたつにされている。、50ヘルツ60ヘルツの接する地域では、飛び地もあって、新潟に60ヘルツの地域があったり、長野に50ヘルツの地域があったりするのだが、まっぷたつは凄いと思う。
 ともあれ、次にに向かうのは鹿蒜(かひる)駅だ。
 整備したとはいえ、やはりキツかった。2頭立てにしておいてよかったな、重そうだから。休み休み進み、午前の半分程度の速度しか出なかった。鹿蒜(かひる)駅で十分に休み、淑羅しくら駅、丹生にゅう駅と進み、越前国府に至る。
 実は越前国府はまったく期待していない。なぜなら内陸だからである。国司たちは中央の貴族だから、京都風を好むため、内陸だと京の料理とほとんど変わらないと予想される。
 その越前国府でもてなしを受けた。
 土地の名物を食べさせるように通達が来ていることもあるが、前にもそうだったように、接待にも力が入っている。勅使に加え摂政道隆の子がふたり(伊佐とモトちゃん)もいるから大変なものだった。
 現代では11月6日が越前ガニの解禁なので10月では冷凍のものしかないが、今はそんな決まりはないのでいつでも取れなくはない。ただし、国府は漁港から数十キロ離れているため、もっと寒くならないと持って来れないだろう。越前ガニが他のベニズワイガニとどう違うのか分からないが、この先ずっとカニが捕れる地域を通るので、それまでの楽しみに取っておこう。
「ねぇヒカル、この料理は京と変わりませんね」
「あぁ、そうだなぁ」
 伊佐と俺の会話を聞いていたのか、受領が自慢げに言ってきた。
「そうでしょう、麻呂は京でも食通ゆえ、同じものでないと満足できないのです」
 初麻呂だ! だが、残念、おじゃるじゃない。伊賀・甲賀で反省したので、おじゃるを強要することはしないが。
「そうですか。越前の名物というと何でしょう?」
「はて、麻呂は京の料理しか食さぬゆえ、とんと知りませぬなぁ」
 そういうのは食通とは言わない。食は冒険であり発明なのだ。
 何かの食材があったとして、それは食えるのか毒なのか、どうやったら食えるのか、どうしたら美味くなるのか、そういう冒険があって食せるようになり、発明があって美味くなるのだ。ふぐはその好例だろう。鉄砲と言われるように、当たれば死ぬという食材なのだが、その中に美味を発見し、その食し方を発明したのである。
 得るものもなく、自称食通にうんざりして、疲れもどっと出たため、早々に休むことにした。
 明日は5時には出るつもりなので、早く寝た方がいいのだ。
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