印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page32 -
 翌朝、陽光号(俺のいる馬車)にはさやと諾に代わってゆかりとしずかが乗ってきた。普段だとうるさいのだが、暇なのでそれもいいだろう。
 昼は潮津駅でと思っている。まったく知らないのだが、柴山潟があることから魚介類が豊富そうだと思ったからである。海水・淡水とその混ざった汽水があり、それごとに魚介類も違うのだから期待が持てる。潟の中から温泉が湧いている(現時点では未発見)ので、水温は他の潟より高いかもしれない。そこは明治になって干拓され片山津温泉が作られた。
 加賀国府は現代でいうと小松市役所のあたりだろうか。潮津駅から十キロ程度なので、柴山潟辺りでゆっくり食事したり見物したりしたりするのもいいだろう。
 加賀というとイメージするものがあるだろうが、それは前田の殿様以降、加賀百万石と言われて以降のものだ。手取川が扇状地を形成する過程にあるため、まだその面影はない。
「ねぇ、何か書いてるんだって?」
「いや、まだだ、内容はないよぅ」
「……つまらない」
「そう言うゆかりはどうなんだ?」
「あたしは、前のやつを考え直してるとこ。やっぱり男女じゃなきゃ」
「そうか?」
「光、あんた誰かの子供を産みたいと思ったことある?」
「いや、生まれてこの方、一度もないな」
 男ではかなりレアなことではないだろうか。いないとは言わないけど。
「あたしはあるの、っていうか今もそう思ってるけど、さやさまが生んだのだってあたしくらいだって聞いたから、あたしも、もう産むんだなって思って」
「そうか」
 それ以上聞いたら負けだ、流すしかない。
「……あたしも産める」
「そうか」
「私も産めますというか、産みます」
「あかねはこいつらより年上だもんな。今すぐだって大丈夫だろ」
「そ、そんな。分かりました、ちょっと恥ずかしいですが、用意いたします」
「何の?」
「ですから、子作りの」
「ちょっと、あかね、何バカなこと言ってんのよ。光はうちの婿なんだから、変なことしないで」
「ちょっと、モトコ、何バカなこと言ってんのよ。光はウチの婿になるんだから、変なこと言わないで」
 ほぼ言っていることが同じだ。モトちゃんの方が決定、ゆかりが予定という違いくらいしかない。よし、参加するぞ。
「ちょっと、お前ら、何バカなこと言ってんだよ。俺はまだ誰の婿になるとも決めてないんだから、変なこと言うなよ」
「……ちょっと、あんたたち、何バカなこと言ってんのよ。光はあたしの婿になるんだから、変なこと言わないで」
 しずかまで参加してきやがった。
「みなさん、何言ってるんですか。私はただ光の赤ちゃんが産みたいだけですから」
 みんなが一斉にあかねを見た。俺は、それじゃ天丼になってないじゃないかという意味だったが、他のやつらは赤ちゃんを産むだと、という視線だったと思う。
「まあ、それでは妾も参加しなければなりませんね」
「玉藻まで、って那美じゃないか、何でこっちにいる」
「あちらは囲碁打ちとらーらーうるさいのしかいなくて、つまりませんから」
「てるが誘ったんだよ、てるもひとりだとつまんないから」
「つきも誘われたです。あっちの会話は聞くに堪えないです」
「ん? どんな話をしてたんだ?」
「い、言えないです」
 ゆかりから送られる視線に気づいた。言うなよ、ということらしい。神をも黙らすんだな。
「まあ、広いからいいけど、他の2台の加護とかってどうなるんだ?」
「最初から加護などしてませんから。神棚を奉ったくらいで加護されることなどありえません」
「それを言ったらお仕舞いだろ!」
「大丈夫だよ、てるはひかるを加護しているから」
「つきもひかるを加護してるです」
「そうか、ありがとな」
 この時はただ言ってくれているだけだと思ったんだが、こいつら嘘とか冗談とか言わないと後で分かった。那美は冗談みたいなことしか言わないのだが、あれもマジで言っていたのである。天然の女神なんだ。
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