印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page36 -
 うなぎの仕掛けのところに行き、着物が汚れるので遠くからウナギを出すのを見学である。
 おお、入ってるな。
 網元が呼んだ若い衆に運んでもらって、駅に戻った。
 さて、料理だ。
 みんなには敷地の横に石を積んで、急ごしらえのウナギ焼きを作り、炭を熾してもらう。
 その間に、俺は厨房を借りて、ウナギのタレ作りだ。水飴、酒、醤油を弱火に掛けておく。さやと夕月を呼んで手伝ってもらう。
 ウナギを捌くのに、目立てがいるのだが、ないので持参の竹串を短くして何とか刺す。「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」と言われるウナギなので、初めてやって上手くいくはずもない。奇跡的に上手く行ったとしたら、神のご加護でもあったということだろう。
 割くのには自前の小刀を使った。本当に包丁としてしか使われていないやつだ。まあ、人とか切ったら包丁として使いたくなくなるだろうが。
 関東は切腹を嫌って背開き、関西は腹を割って話そうと腹開きらしい。面白いのは関東の包丁の方は持ち手があって、関西のにはないことだ。包丁には見えないよな。切腹を嫌うという割りには頭は落とすのだから、別の理由があるのかもしれない。切腹は腹を切っても死ねずに苦しむだけなので、切った真似だけして介錯に頭を落としてもらうものなのだ。そうでなくても打ち首だし。
 右側に頭が来るようにして腹から割いてみた。京都在住だから。
 背側を切り離さないようにして、骨だけを取る。
 関西は頭を残して一尾丸ごとに4本の長い金串を打ち、皮を焼いてから数本の金串を追加する。
 関東は頭を落として、2・3に切ってから5本ほど竹串を打ち、蒸して油を落とす。
 そこから焼きに入るが、蒲焼きの場合、関西は焼いた後、身には何度もタレを掛けて焼き、皮面は固くなるのを避けるため最後に1回しか掛けない。関東は焼いた後、何度もタレに浸けて焼くのを繰り返す。
 今は蒸さずに関西風で行くが、焼きにくいので、2つに切って5本の串を刺した。ここだけ関東風である。
 スズキは1匹を3枚に降ろして、普通の造りにして、もう1匹は3枚に降ろして薄く削ぎ切りにしておく。
 黒鯛、ちぬは内臓とエラを取って、包丁でバッテンを入れて、水飴と醤油、薄切りの生姜を入れて沸騰したところに入れて煮る。持参のおたまで汁をすくい掛ける。これはさやに見てもらう。。
 湯を沸かし、沸騰したらスズキの薄切りを入れ、すぐに身を取り出して水に放つ。洗いだ。
 飯炊きと洗い用の酢味噌とわさびを摺り下ろすのは夕月に任せた。
 カニはふんどしを取って、甲羅を取り、ガニを取ってぶつ切りにし、湯に放り込んで煮込んだら味噌を溶いて、最後に葱を散らした。カニの味噌汁だ。モクズガニは川ガニで、上海ガニも近縁種だったと思う。
 うなぎとタレを持って炭のところへ行く。
 みんなが見守る中、皮から焼き始める。遠火の強火で、外でも遠赤外線なら関係ない。
 焼けたらくるっと返して身を焼く。60℃で5分、もっと温度が上がると短時間になるが、それだけ加熱すると毒が消えるのだ。
 頃合いになったら、身の方だけにタレを掛けて焼き、これを数回繰り返したら、最後に一度だけ皮の方にタレを掛けて焼き上げる。熱いうちに竹串を回して、抜き取っておく。次のをどんどん焼こう。
 焼きを見ていたのでできるという瑠璃と飛鳥に任せ、厨房に戻り魚の具合などを見る。アジを3枚に降ろし、皮を剥いで小骨のとろこを切り取り、身を細かく切り、味噌、葱・生姜のみじん切りを加え、叩いてなめろうにした。
 できた料理は大皿に盛りつけて運ぶ。お膳と皿、箸などを付け、こちらの準備は完了。
 うなぎに戻って、様子を見るとちゃんと焼けていた。細かなことを正確に真似るのは瑠璃の得意とするところだ。
 全部焼き上がったので、タレはそのまま馬車に積んでおいた。
 やっと朝食である。
「いただきます」
「「「いただきまーす」」」
 網元や手伝ってくれた若い衆、駅の役人も呼んでの食事会である。
「「うっまぁい!」」
 ゆかりとモトちゃんはリアクションもそっくりだな。
「皮はぱりっと、身はふっくらで美味しいです」
「気に入った? さや。これをご飯と混ぜたのがひつまぶしだよ、昨日言ってたやつ」
 ちゃんと焼かないと、皮がぶよっとして、しかも噛み切れないという酷いものになる。蒸した方が皮の問題はなくなるが、柔らかいので焼くのが難しくなるだろう。
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