印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page38 -
「今日は本当に光って凄いって思いました」
「さや、言い過ぎだって。料理法を知ってただけだから」
「違います。料理のことだけじゃありませんから」
「何?」
「教えてあげません」
 冷たい声ではなく、甘えたような言い方のさやだった。
「明日はどうなさいますか」
 国司が聞いてきた。
「蓮湖に行って飯を食って、それから越中国府に向かおうと思っています」
「ならばそこまで同行させてください。ご案内もさせていたきます」
「ええ、ぜひお願いします」
 蓮湖というのは潟湖せきこで、現代で言う河北潟のことである。
 そこは東北道から外れて、能登街道の方へ少し行ったところで、潟の北側に横山駅があるから、そこで食べようと思っていた。
 俺は昼寝をしたので絶好調で、国司とも仲良くなり、富樫忠頼とがしただよりという名で3年前から国司なのだと教えてもらった。富樫氏というと室町時代の守護大名だが、平安時代から加賀と関わりがある。ただし、すけ、つまり次官で、かみの次に偉い人ということらしいが、守は兼任の場合もあるから、実質トップかもしれない。
 ただ、富樫氏と聞いても、聞いたことはあるが、ゲームでの印象がない。
 忠頼にちょっと失礼と言って、信長のところへ話に行った。
「信長、国司は富樫氏だそうです」
「であるか」
「富樫ってどんなでしたっけ」
「加賀は一向一揆の百姓の持ちたる国だ、嫌なことばかりであった」
「あ、それでか、守護大名の印象がないのは」
 最後の守護が一向一揆に自刃させられていたのを忘れていて、戦国時代はどうしてたっけと考えていたのだ
 信長の時代の百年近く前から、加賀は『百姓のもちたる国』と言われていて、信長や謙信は戦国大名ではなく、反乱軍のリーダー顕如と戦うことになる。現代では『門徒の持ちたる国』などと表現を変えられているが、歴史的な言い方を変えるのはどうだろうか。百姓はたみと同じ意味である。人民は人と民を合わせて言った言葉で、人とは貴族のこと、民は百姓つまり平民のことだが、それも藤原氏でなければ人にあらずとまで言われた時代もあった。百姓がダメなら民もダメだと思う。人と人間も違うのだが、それはまた次の機会としよう。
「でも、最後は佐久間盛政らが一向一揆を破ったからいいじゃないですか」
「うむ。やつはその後どうなった」
 盛政が初代加賀城主となったのは、本能寺の変の前だから、信長がそうしたということだ。その後はというと……
「柴田勝家に従っていて、秀吉と勝家の争いで勝家方に付いたので、最後は秀吉に斬首ざんしゅにされています」
「なんと! サルめ、盛政を打ち首だと?」
 そりゃ怒るよな。信長から見ると、勝家の方が本流だろうし。ちなみに、盛政亡き後、加賀城主となったのが前田利家である。秀吉の死後8ヶ月で亡くなっているので、江戸幕府の大名ではない。
「勝家は、勝家はどうなった?」
「お市さんと結婚しましたけど、秀吉に攻められて越前北の庄城でお市さんと自害されました。秀吉がふたりを結婚させたらしくて、もしかすると天下取りのために、邪魔なふたりを同時に亡きものにしようという算段だったのかもしれません」
 俺だったらお市を自分の側室にして、信長との縁を深めるけどな。
「おのれ、サル! どうしてくれよう」
 そりゃ怒るよな。妹までやられたら。
「早く戻らねばならぬ! サルを打ち首にしてくれねば」
 完全に怒っちゃった。でも、俺のせいじゃないから。俺は事実を言っただけだから。
 その後、ゆかりに引っ張って行かれ、みんなの相手をさせられた。いつもの展開。
 しばらくして宴も終りとなり、寝ることになった。
 男女で別棟が用意されていたのが実によかった。信長は普通に戻ってたし、男だけなので色々と話せたし。
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