印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page43 -
 改めて作戦会議である。
 やっぱりプランAにするしかないか。
「あの、ご主人さま、あっちの方は通ってはいけないのでしょうか?」
 玉藻が指し示しているのは断崖の方である。
「あっちは道もなくて、ここより通りにくいからムリだろう」
「ではなくて、お忘れかもしれませんが、土竜もぐらは土竜の道を作ります」
「トンネルか!」
「「豚寝る?」」
 何人かが反応した。
 ほぼ反則技なのだが、一番楽で確実で安全。ただ、それを作ると歴史がかなり変わりそうだ。青の洞門とかなくなるし。
「それって俺たちが通った後で元通りに埋められるか?」
「もちろんです」
 フォッサマグナは東日本と西日本がぶつかっている境界線である。東日本は西へ、西日本は東へ動こうとしていて、それが接しているので高い山ができているのだ。ただし、その境界においては岩盤が砕かれた破砕帯があるため、トンネルを掘ることは非常に難しい。なお、海底地形が分かる地図だと、フォッサマグナに続いて日本海の真ん中くらいまで不気味な亀裂が走っていることが分かる。
「ゾロ、穴を掘って、そこを通ろうと思いますが、どうでしょう」
源氏みなもとうじはそうするがよい、儂はここを行く」
「そんな、ムチャですって」
「謙信はここを通ったのであろう? やつに通れて、儂に通れぬ道理がない」
「それはそうでしょうけど」
 負けず嫌いだな。まあ、加賀の前田さんだって、参勤交代の大名行列はここを通るしかなかったのだから、輿に乗って通ったかは分からないが、殿様でも通っていたのは確かである。
「伊佐殿はそちらへ移ってもらう。御者は返してもらおうか。儂と共にここを通るのにな」
「本当に大丈夫なんですか?」
「儂を誰だと思っておるのだ? 源氏。時間はかかるかも知れぬが、向こうでのんびり待っていてくれればよい」
「ならば俺もここを行きます!」
「だめだ。お主はおなごたちを守らねばならぬ。ここを馬車で通るのは少々厄介そうだからな」
「分かりました。では乳帯符を身に付けてください。何かあったら必ず教えてください」
「よかろう」
 御者をやっていた狗と禽を呼び、伊佐と羅螺は降ろされ、軽くするため荷物も移した。
「ではな」
 信長が御者となり、他の3人は歩いて後を追って行った。
「では、後で必ず」
 俺はひとりごちると、馬車に戻った。
 
 俺と玉藻が御者となり、岩壁にいきなり開いた穴に入る。狐火で明るいが、回りはなんということはない岩壁なのでぶつからないように進むだけである。
 それが延々3時間ほど続いた。
 何事もなく、岩肌の洞窟から出て後ろを見ると、もう穴はなくなっていた。埋めたようにではなく、何の痕跡も残さず、跡形もなくなっているのである。
 子不知が終わるあたり、海岸は砂と岩があるが、結構広く、海が穏やかなのでここで待っても大丈夫だろう。
 岩を集め、即席の炉を造り、炭を置くと火を点け、湯を沸かした。
 紅茶を淹れ、みんなを呼んで飲ませ、ここで待っているように言うと、ひとり海岸を戻った。
 信長の様子を見るためである。
 1時間ほども歩いただろうか、信長の馬車が見えた。岩に車輪を取られ身動きができないようである。
 急いで向かい、馬車を持ち上げている4人に加わった。
「遅くなりました」
「源氏、来ずともよいものを」
「いえ、十分楽をしましたから、少しは手伝わないと」
 俺なんかでは大した力にはなれないが、それでも人が増えたことにより全員のモチベーションも上がったらしく、5人でやっと馬車を通すことができた。
 信長が御者となり、俺は歩いて後に従い、馬車を4人で押したり持ち上げたりしながら、やっとみんなのところまで戻ることができた。2時間くらいはかかったと思う。
 みんな俺が戻らないので心配してくれていたようだった。
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