印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page46 -
 一条天皇の孫、後冷泉天皇の頃に作成されたという古地図があるが、新潟平野は海であり、数多くの島が点在している。たった一本の川によって、13キロも陸地に変えるほどなのだから、何十本かの河川が届けられた土砂によって、この千年で海から新潟平野ができたということなのだ。長岡辺りに大川(信濃川)の河口があり、そこから海だったのである。越後は島が付く地名が異常に多い。これは半島も島という地名で残っているのだと思うが、それも海だった証拠だろう。
 現代において、もし海水面がたった1メートル上昇しても、新潟平野の多くは水没する。正確に言うと、マイナス地帯も多いため、防波堤がなければ既に水没しているのだが。
 後冷泉天皇の古地図と同じ程度にするには5メートル以上も海水面を上げなくてはならないが、この千年に土砂が堆積した分がその程度なのではないだろうか。
 
 閑話休題。
 荷物を全て船に運び込み、馬の世話と馬車のことをよく頼んでおく。
「さあ、野郎ども、船出ふなでだ!」
「誰に言ってるのよ」
「……多分、海賊のつもり」
 乗り込んで気がついた。朱鷺はどこから乗れるとか知ってるんじゃないのか? 何で教えてくれないんだ?
 船には3種類ある。風にって進むか、人が漕ぐか、エンジンを積むかだ。俺たちの乗った船は手こぎだが、十人もの海の男がオールを漕いでる。ガレー船のようなものだ。菅原道真の流刑の絵にあるような船である。
「よし、お前ら、話を聞くように」
 何? どうしたの? また始まったのぢゃ、などという雑音には耳を貸すべきではない。
「佐渡から柏崎まで恋人に会うためにたらい舟で通ったという女の話だ」
 みんなは恋人、通う、女という単語に興味を引かれたらしい。佐渡情話というやつである。
「佐渡にお光という娘がいて、柏崎から大工仕事に来た吾作と恋に落ちたが、吾作の仕事が終わって佐渡に来なくなったために、お光はたらい舟で毎晩柏崎まで会いにきていたんだ。ところが吾作は妻子持ちだったので、最初はお光が来たことを喜んだが、次第に怖くなり、目印の明かり(灯台)を消してお光が来れないよにした。そのために、お光は海で死んでしまい、吾作はそれを悔いて海に身投げしたという話があるんだ。柏崎にそのたらい舟というのが神社(番神)に置いてある」
「あんまりいい話じゃないわね」
「そういうなよ、ゆかり。それにあやかって俺の時代の柏崎には恋人岬というのがあるんだ」
「そんなものにあやかってどうするんぢゃ?」
「俺も変だとはおもうけどさ、俺が言いたいのは、こういう嘘だらけなのは書いちゃダメだってことなんだ」
「そういう話かいな」
「ああ、まず目印の明かりがなくても、遭難はしないということなんだ。陸は見えているんだからな。悪天候で山陰も見えないなら、たらい舟じゃ目印の明かりがあっても遭難するだろ? それに何回も通ったら米山が目印になるからな。それより、たらい舟で毎日通うのもムリだ。速さからみて往復するのに1日じゃムリだから。多分、外国の逸話を元に創作したものだろうが、佐渡と柏崎の間がどれくらいあって、たらい舟だとどれくらいかかるか調べもしないで書いた話だと思う。つまり、ちゃんと調べてから書けよということなんだ」
 フェリーで2時間半かかるのだ。湖とかの手こぎボートを思いっきりずっと漕げたとして6時間、たらい舟だと最高時速が3キロ毎時だというから、20時間かかるので、往復だと40時間だが、潮に流されるので普通遭難する。
「わかりました、ちゃんと調べてから正確に書きます」
「うん、諾、そうしてくれ。さあて、さっきもらったところてんでも食うか」
「「「食う!」」」
 元気だな。船酔いとかしそうもないからいいのだが。
 見たことがない人に言うと、柏崎から佐渡はずっと見えている。というか新潟県内の海岸ならどこからでも見えるから、隣接県からも見えるに違いない。県境を越えたら途端に見えなくなったら、そっちの方が凄い。
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