印Let's Write The Japanese First Light Novel.
Since 2012-06-01
Update 2014-07-01
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第1巻 時間と歴史

第2巻 羅述と衛姥

第3巻 事件と救出

第4巻 牛肉と麦酒

第5巻 旅路と佐渡


主要キャラ 画像



枕草子 原文 全323段




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- 【俺のラノベは平安絵巻】 第5巻:page48 -
 もう一度佐渡の流人について書いておこう。
 西暦722年、穂積朝臣が皇室批判をして佐渡に流されてから、1700年に佐渡遠流が廃止されるまでのおよそ千年に300人ほどが流されたという。
 また、1788年からおよそ百年ほどは、無宿人狩りで捕らえた人を水替人足(坑道から水を抜く)として送った。女性は炊事や洗濯に従事させられた。水替人足の多くは3年以内に死んだそうだ。約百年で2500人ほどが送られている。
 
 これらは3つに大別できるだろう。
『その1、奈良から室町までの流罪(島流し) 約80人』
 罪としては、為政者批判、謀反、為政者が気にくわなかった(日蓮、世阿弥など)などで、貴族や僧侶が殆どである。中には殺人とされた者も数人いるが、現代の殺人罪ではなく、謀反に絡んだものだろう。
『その2 江戸1700年までの遠島 約220人』
 かけ双六などの賭博をした者が多い。犬殺しや直訴をして送られた人や、不届きだと送られた人もいる。中には窃盗、詐欺などの罪人もいて、わずかに殺人もいるが、訴えられたり嫌疑をかけられると処罰されるため、ちゃんと調べた上でのことかは不明。1700年には無宿人の遠島があったが、50人送って、道中で15人が死んだとある。
『その3 江戸1788年以降の島送り 約2500人』
 無宿人狩りで捕らえた者を送り、金山で過酷な使役をされた。
 
 罪として、その1はあまり問題がなく、その2は実際に罪を犯した者もいて、その3は戸籍がないだけで送られている。
 佐渡が罪人の子孫かというと、そうではない。罪人とされているのだから厳しく取り締まられていて、賭博をしたと佐渡に送られ、その後に素行が悪いという理由で他の島に流されたり、盗みを働いたとして死罪になった者もいるのだ。
 大罪では他の流刑地や死罪となるため、佐渡には少なく、現代なら罪に問われないものも数多い。示談や執行猶予(初犯・懲役3年未満)も考えると、実際に懲役刑となるのは十人もいかもしれない。
 
 閑話休題。
 着替えている間に船は佐渡に着いていた。国府に近い港に着けてくれたらしい。
 船から降り、荷物を運び出していると国府から人がやってきた。老人と娘である。
「これは、姫、お帰りなさいませ。この者たちが助っ人ですかな?」
 あ、何十年も犬のぬいぐるみに入ってる人の声だ。
「お帰り、朱鷺」
 こっちは帝を女性にしたような声だな。
「じぃ、違うっちゃ、この人たちは勅使ご一行だっちゃ」
「何と、もしや光源氏さまでしょうか、これはご無礼をいたしました。わたくし、本間海南ほんまぁぃなと申します」
「えっと、すいません、お名前がちょっと聞き取れなかったもので、もう一度お願いします」
「ホンマ、カイナ、でございます」
「「「ほんまかいな!?」」」
 ほぼ全員が一斉に突っ込んだ。
「歌奈です。みなさん佐渡にようこそ!」
 歌奈か、普通に名前だ。
「わたくしの孫の本間歌奈でございます」
「「「ほんまかな!?」」」
 ほぼ全員が一斉に突っ込んだ。
「じぃ、荷物を運んでみんなを国府に案内するっちゃ」
「かしこまりました、姫」
 海南さんは荷物運びをするために人を呼びに行った。
「なあ、じいって何だ?」
「あの、妾がご説明しましょうか?」
「那美がか、そうか、だが断る! 朱鷺に聞きたいんだ」
 絶対下ネタだからな。
「じぃはうちのじぃだっちゃよ。ちっちゃい時からずっと面倒みてもらってるっちゃ。歌奈とは姉妹同然だっちゃ」
「お前って、もしかしていいことの子なのか? 姫とか言われてたけど」
「ついに知られてしまったっちゃね、うちは……何だっちゃ、あれ?」
 俺たちは朱鷺が驚いて見ている視線を追って愕然となった。
 晴れ渡った空に黒い雲が渦巻いていた。
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